ついの住処-ノボルの視点 わたしたちが小さいおうち(タイニーハウス)に住むまで(第28回)

小さなお家(タイニーハウス)で暮らす

わたしたち夫婦は 東北のとある街に小さな土地を見つけ 小さなおうち(タイニーハウス)を建てます 「ついの住処」の準備をしています

このブログでは その過程や 背景となった考え方や 出来事などを 綴っていきます

興味のある方は このページに遊びにきてくださいね

今回は エントロピーを増大させないことについて(前回からの続き)お話しします

生ごみ堆肥のこと

学校に勤めていた時 環境問題を授業で取り上げるにあたって 調理場から出た 食べ残し等で 生ごみ堆肥をつくって 野菜や ドングリの苗を 育てたことがありました

校舎の裏の 日当たりがあまりよくない 物置の横に 軽く穴を掘ってコンパネで 一辺が 1間(けん)の正方形で囲み 剪定した枝葉や 落ち葉の時期にはき集めた木の葉などといっしょに 調理場からでた生ごみや ジュース お茶 牛乳の飲み残し コーヒーかすなど さまざまな有機物の残がいを 混ぜ込みました

腐敗と発酵

腐敗と発酵は同じこと とよく言われます 生ごみ堆肥を観察していると さまざまなステージの腐敗や発酵の姿を見せてくれます

すでに何度か発酵を繰り返し 落ち着いた様相の堆肥場に バケツで生ごみを投入します 土木作業などで使う スコップで 周りの堆肥と生ごみを 混ぜておきます 

2〜3日で生ごみとしての姿がなくなる時もありますし 1週間かかる時もあります 一度に投入する量や 季節 気温 天気 によって差があります いずれにしても 最後には 分解されて 生ごみは姿を消します

イベントの後 例えば文化祭や 運動会の後に 普段より大量に発生した 生ごみを大きなバケツで 堆肥場にぶちまけると いつもの時とは見せてくれる様相が違います

後日何度か 混ぜる作業を行わなければ 生ごみだけがかたまって存在していたり その後雨が降ったりすると 発酵に必要な酸素が 足りなくなるのか 腐敗臭が出てきます

生物多様性

腐敗臭が出てきた 生ごみの残がいは 人間にとって不快なものです しかし この匂いが さまざまな生き物を呼び寄せます ハエやゴキブリがきます ある種の蛾もきます 直接食べに来るのが 目的なだけではなく 子孫を増やすために 卵を産みつけに来るのです いずれ孵化して 幼虫になります

これらの幼虫を求めて 上位の生き物がやってきます トンボやハチ ネズミや鳥 ヘビもきます 学校の敷地内や周辺に それらの生物の 生育域があるからなのでしょうが 与える負荷が 堆肥場が持つ許容量を超えていなければ いずれは落ち着いた 堆肥場に戻ります

目に見える生き物たちの 到来だけでなく 見えない生物も出現します カビなどの菌類です カビたちが様々な菌叢を見せてくれます 菌糸が生ごみに奥深く入り込み 分解の手助けをします

ミミズたちの存在も忘れてはいけません 堆肥場をスコップでかき混ぜていると 必ず現れます 分解された生ごみを食べて 糞にして 団粒構造のある土に変えてくれます

ある気温の比較的低い朝 堆肥場を見に行くと 蒸気が立ち昇っていることがありました 少し混ぜてみると 香ばしい匂いが 全体に広がりました これも発酵のステージのひとつだったのでしょう 何日かすると なくなります かき混ぜても かき混ぜても蒸気は出なくなりました

生ごみの分解過程を観察するだけで このような生物多様性を知ることができました

ビオトープ

学校の校舎の裏の 生ごみ処理のための堆肥場の横に 小さなビオトープも作りました 

「フネ」といわれる セメントを手作業で混ぜるときに使うプラスチックの 深さ40cm ほどのプラスチックの容器を 穴を掘って埋め込みました 水の部分と土(陸)の部分の面積の対比を6:4で設計して さらに 容器の外と内がプラスチックで遮断されないように 陸続きにしました 

以前お話しした 自宅のバルコニーで金魚を飼ったものを さらに発展させたものを 作りました ビオトープには 初めは買ってきた金魚やメダカ ドジョウなどを入れておきました

このビオトープは 完全に屋外だったので 安定するとほとんど 手をかける必要がなくなりました 隣の堆肥場に加え 生物多様性を確認できる場所が 増えました

春先に まだ冬眠中のカエルを 水底で発見したこともありました このカエルは2年続けて 確認できました

「堆肥場」と「ビオトープ」それぞれ 循環が始まると それほどひとが手を入れなくとも 安定して存在するようになります それぞれ 生ごみを投入し 水が枯れない程度にバケツで足してやる だけです

エントロピーが増大しにくい仕組みは このような小さな実験に ヒントがあるような気がします

健太のアイキャッチ画像

昨日から使っているアイキャッチの カメの画像は 自宅で飼っている 小泉健太です 今の住まいにはバルコニーや庭がないので 健太はずっと 室内で飼われています 一度 健太を外で遊ばせようと アパートの共有部分につれていったら 「ここはペットの飼育はダメだから たとえカメでも 外に出すのはやめた方がよい」と ツマにいわれ それ以来 健太をうちの外に 出したことがありません

カメは 時々外に出して日光浴をさせてやらないと 甲羅が柔らかくなってしまったり 病気にかかりやすくなったりする と 聞いていたので 外に出さないで 飼い続ける方法を 探りました

ペットショップにいって いくつかの水生カメのエサの説明書きを読みくらべました 「ヒカリ菌が 腸を整え 糞尿を臭くしない 水を汚さない」「甲羅を丈夫にする成分配合」といった文言で 現在使用している カメのエサに決めました 

キョーリンの「カメプロス」です 5年以上使用していますが 健太の水槽のにおいは強くならないし 水は腐りません 健太はずっと健康で いつもやかましいぐらいに 元気です 肥満にもなりません(カメもエサをやりすぎると肥満になって 首や足が甲羅に引っ込めなくなるそうです)

エサやり以外の管理は 水が減ったら 健太が甲羅を乾かすために入れてある レンガの上縁を越えないように 水を足してやるだけです 特に掃除などしなくても 微生物たちが 分解してくれているらしく 水が腐ったりしたことは ありません

ここでもエントロピーの増大が 抑えられています

小さいおうち(タイニーハウス)の庭に作りたい

建築中の小さいおうち(タイニーハウス)ができて 移り住んだら ここには 2✖️5メートルの広さの庭がありますから 前述の 「堆肥場」「ビオトープ」「健太のおうち」を作りたいと思っています

ツマはツマで 考えていることがあるでしょうから 話し合いをしながら 上記の設備が実現することを 想像するのも 楽しいです

今回は以上です

ノボルでした

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