わたしたち夫婦は 東北のとある街に小さな土地を見つけ 小さなおうち(タイニーハウス)を建て 「ついの住処」の準備をしています
このブログでは その過程や 背景となった考え方や 出来事などを 綴っていきます
興味のある方は このページに遊びにきてくださいね
今回は 「本当に必要なの?高齢者の運転免許証」 です
高齢ドライバーの事故防止
2022年5月15日(土)付の 日本経済新聞「高齢ドライバー事故防止なるか 免許更新 実車実験始まる 違反歴ある75歳以上対象」という記事について
75歳以上の運転免許保有者は2021年610万人近くおり 10年で1.6倍増え 2025年には790万人に達するとされています
75歳以上のドライバーによる死亡事故は2021年に全国で346件発生していて 自動車(原付含む)の死亡事故全体の15%を占めるそうです これは1986年以降で最も高い割合とのことです
2009年に75歳以上に対する免許更新時の認知機能検査は義務化され さらに2017年には 認知症の恐れがありと判断されれば 違反歴の有無に関わらず医師の診断が必須となっています
しかし 2019年の池袋の高齢運転手が起こした母子2名の死亡事故では 被告は事故前にくだんの検査を受検していたが問題と判断されていて 対策は不十分であると 指摘されていました
認知機能に問題がなくとも 基礎的な運転能力の低下に伴う事故は少なくなく
2021年に75歳位以上のドライバーによる死亡事故の約3割が ハンドル ブレーキなどの操作ミスという分析結果が出ているそうです
そこで一定の違反歴がある75歳以上は免許更新時に運転技能検査(実車試験)が義務化され 新制度として13日から開始となりました
日本における免許更新時の高齢者講習で 免許を失う可能性がある試験の導入は初めてということです
賛成です
上記制度の導入に 賛否両論があると思いますが わたしは賛成です
「お年寄りから免許を取り上げる趣旨ではない」と当局は説明しているらしいです
受講者の中には「重大な事故が多く起き 試験導入は自然な流れ」と理解し「仕事で車を使っているが 自分の運転が危険だと気づく機会があれば 手放す」と語る人もいたらしいです
わたしは 自分の父を見て 後期高齢者になって 周りが事故を懸念しているのに 頑なに免許返納を固辞するのを みっともないし 周囲にとってリスクだと思って接してきました
母も高齢で運転を続けていましたが 本人が歩行中に 高齢者の運転する車に轢かれ 高次脳機能障害を患い 数年後にそれが原因で他界しました
じぶんは「大型2種免許」を保持しながら 高齢者になって 運転を若い時同様の認知能力を維持し続けることに 自信が持てなくなりました
免許返納
そこで わたしは70歳で 運転免許証を返納することに決めました
バイクの趣味をやめたのも その流れのうちにあります
年齢を重ねると 視界が狭くなってきます 眼球運動だけで 視野を確保することが 難しくなってきて 首や体を振ることで 視野を広げ 安全確認をすることになりますが
目から入った情報を 認知し処理する時間も 遅くなってきます
周囲 家族の心配を無視して じぶんの趣味を楽しむのも 万一のことがあれば「自己責任」だけで済まされないと 気づきました
地方にいけば いまだに車優先の社会です 高齢者の孤立 地域間格差など 高齢者の運転技術だけでない 社会構造 交通政策 など 高齢者の生活の支援にまで及ぶ 長期的 多面的な視野で課題の解決が必要です
衝突事故軽減防止装置
事故を防止するために 「衝突事故軽減防止装置」などを自動車メーカーは 製品(クルマ)に装備しています
高齢運転手は そのような事故時にアシストしてくれる装置が標準装備されていないクルマでないと 運転してはいけない法律を 作るなどの話もあります
それも大事でしょうが 運転する側のモラルとして
自動車を運転するのならば 安全に必要な意識の向上と 道路交通法などの正しい法規の理解 安全運転技術の向上に 日々努めることが 優先だと思います
免許の意味
高齢者医療に特化した分野で活躍して来られた お医者さん野田秀樹さんは その著作の中で 高齢者から免許を取り上げるような 高齢ドライバーがさも 他の年齢層の運転手に比べ危険という風潮は好ましくない 免許の自主返納には反対だ と述べられています
運転免許証を手にして 運転するというのは 権利なのだから 高齢者に免許返納を強いるのは 人権侵害だと おっしゃいます
トラックの運転 路線バスの運転 という営業用車両の運転に携わって 何度か「交通安全教育」や研修に参加しました
そこでよく言われたのは 「自動車運転免許証」というのは 「自動車の運転をしてもよいと 免じて許されている証(あかし)」です ということでした
そもそも「自動車の運転は危険だから法的に禁止されている」というのが前提なのです その禁を解かれた 証拠に 運転免許証が交付されるのです
ですから 「運動能力の衰え」「気力の持続性の減少」「認知判断速度の低下」「安全意識の疑問」どんな要素であれ ステアリングを握るにあたって 以前より不安要素が 生じてきたならば 「安全運転義務」に反していると認識すべきです
「人命尊重」「安全第一」の観点から 権利より義務が優先されるべきです 上記不安要素がひとつでもあったら 自主的に返納を検討すること 少なくとも運転技術 運転認知の検査を 自ら受講すべきだと思います
今回は 以上です
次回5月13日(木)の記事「『幽霊レストラン』FCで広がる」について お話ししたいと思います
ノボルでした
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