わたしたち夫婦は 東北のとある街に小さな土地を見つけ 小さなおうち(タイニーハウス)を建て 「ついの住処」の準備をしています
このブログでは その過程や 背景となった考え方や 出来事などを 綴っていきます
興味のある方は このページに遊びにきてくださいね
今回は「かさじぞう」です
忙しすぎて 急ぎすぎて 優しくなれないでいる自分 大切なものを大切にする時間を失っている そう思う時がありませんか
「かさじぞう」あらすじ
はたらきもので 正直ものの おじいさんとおばあさんがおりました 大晦日なので お正月の雑煮の餅を買えればと おじいさんは作った編み笠5枚を まちに売りにいきましたが 1枚も売れません
雪が降ってきました 帰途 6体のお地蔵さんに 雪が降り積もっているのを見たおじいさんは お地蔵さんに積もった雪をはらってやり 売れなかった編み笠を 被せました 6体めのお地蔵さんには 自分がほおかむりしていた 手ぬぐいを 被せてやりました
おじいさんの 帰りを待っていた おばあさんは 手ぶらのおじいさんを見て 話を聞きました それは良いことをしましたね お餅はないのは仕方がないから おもゆでも飲んで 早めにねましょうと ねてしまいました
夜中 物音で目が覚めたおじいさんとおばあさんが 戸を開けて 外に出てみると お米やお餅 お野菜お酒 小判などが軒先に置かれてありました お地蔵さんたちがお礼を届けてくれたのでした
子どもの時のとらえ方
子どものころは このお話を 「いいことをすれば いいことがおきる」という話だと思っていました 6体めのお地蔵さんに 自分の手ぬぐいをかぶせてあげたおじいさんは やさしいひとだな と 感想を持っていました
学校に勤めていたころ 「かさじぞう」を絵本の読み聞かせで 生徒に読んでやる機会が 何度かありました
すると 子どもの時に想った 感想とは違ったところで 心が動きました
おじいさんとおばあさん
かさが売れなかったことを 残念がらずに お地蔵さんに かさをかぶせてあげたことを 良いことをしたと 受け入れて では「おもゆでも飲んで 今夜ははやくねてしまいましょう」 というところです
読み聞かせをしていて グッと くるのでした
まずしいはずなのに おだやかで しあわせそうだな わたしたちもこんなふうに 暮らしたいね と思いました
だから このあとの お地蔵さんがやってきて 食べ物やお金のお礼をしてくれなくても 別にいいよ〜 と ゆー感じでした
この おだやかな老夫婦のおはなしが とても好きになりました
まちからどんだけ〜離れてるの
全国に伝わる 昔話ですから 夫婦のすまいと かさを売りにったまちが どのくらい離れているかは 場所によって違うでしょうし 時代によっても とらえかたが異なると思います
歩いて 行って帰ってきて でも小学2年生の国語の教科書にのっている文では 家を出た時間がわかるような 記述はありません 今でいう何時ごろ出て 何時に帰ってきたことを 推測できません
帰宅は 暗くなってから 大晦日(旧暦でしょうから今の2月3日)だから 日没は午後5時過ぎだから9つぐらいでしょうか
教科書の お話だと 朝起きてから ふたりでかさを5つ編んだそうだから 午後にならないまでも 出発はお昼前かな
11時に出て 18時ごろ帰宅 まちでふた時(4時間)ほど売り歩いて 往復3時間 片道1時間半 時速4km/hとして 6〜7km(1里半)は はなれているところに ふたりはくらしていましたか
かさは5つでいくらになりますか
昔話だから 貨幣経済になっていた世の中か わかりませんが 今様に考えて
正月のもちを用意できるぐらいの対価 1kgは500〜1000円 ほど お米1合は約150g 1升は約1.5kg 2升で約3.0kg
宮沢賢治は 「4合の米と味噌と塩」といっていたと思うので 夫婦ふたりで8合 正月3が日を24合で暮らす まずしい老夫婦だから少し少なく見積もって やはり2升は必要かな
大晦日 正月相場で 高いかな 3000円ほどの売り上げが欲しい かさがひとつ 600円で売れたらよかった
薪と交換するおはなし
「かさじぞう」のおはなし おじいさんは かさではなくて 薪を背おって まちに売りにいくヴァージョンもあるらしいです やはり売れなくて かさを売っている人に出会って 薪とかさを交換して 持ちかえることになるそうです
かさを売っていたひとは 正月用の薪が欲しかったのかもしれません かさを売って薪を買おうと思っていたら かさと薪を交換してくれるひとが 見つかった ひと手間省けて
よかったですね
いっぽうおじいさんは 薪が かさに変わっても 正月のお餅が欲しいから まだ目的が果たせたわけではありません どうして かさと交換したのでしょうね
東北の地にて
昔話のせかいですから 年金制度はありません 働いて 少しずつ米や味噌 塩などを蓄えて 少しずつ消費していく 毎日せっせと汗を流して また蓄えと消費を続けていく ケガをしたり 病にかかったりしたら ねて治す 自給自足だから 定年もありません
「技術の進歩は 人を忙しくする」そうです
東北の地に引っ越して 小さなおうち(タイニーハウス)でくらすようになったら わたしたちも 年金がもらえるようになるまでに 少しずつスローダウンして 本を読んだり いろいろなことを考えたり 考えたことを話したりする 時間を 持ちたいです
そうして 年金がもらえるとしになったら 全ての時間を 自分たちのために使えるように 軟着陸の調整をしていこうと 思っています
「かさじぞう」の老夫婦のように 経済的に豊かでなくても おだやかに 有り難がって 生きていければ しあわせです
本日はここまで
ノボルでした
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