ついの住処-ノボルの視点 わたしたちが小さいおうち(タイニーハウス)に住むまで(第31回)

小さなお家(タイニーハウス)で暮らす

わたしたち夫婦は 東北のとある街に小さな土地を見つけ 小さなおうち(タイニーハウス)を建て 「ついの住処」の準備をしています

このブログでは その過程や 背景となった考え方や 出来事などを 綴っていきます

興味のある方は このページに遊びにきてくださいね

今回は 生活リズムについて お話しします

「勤務間休息 最低9時間」厚労省案 バス運転手の過労対策

日本経済新聞2022年(令和4年)3月17日(木曜日)社会面の小さな記事の見出しです

わたしはかって 路線バスの運転士をしていましたが 年齢とともに「安全運転」に不安を感じるようになったことで 運転士の仕事をやめました 以前このブログで お話ししたとおりです

1昨日 日経新聞のこの記事が目に止まりましたので お話ししたいと思います

旅客事業をおこなっているバス会社は 雇用しているバス運転士の労働環境を 運行管理の規則に基づいて 整備しています

記事の内容は バス運転手の過重労働対策として 業務が終了した時から次に業務を開始するまでの休息時間を 現行の最低8時間から最低9時間にすることを義務付ける案を 厚生労働省がとりまとめた ということです

路線バスの運転士だった頃 あるあるの会話

「きのう仕事が終わったのが 22時で 今朝は6時出庫だよ 4時間しか寝てないよ」

「疲れが 取れないよね いくら8時間守っている といわれてもね」

内訳はこうです この運転士は 22時にバスを車庫に入れ 営業所で業務終了の点呼をして 更衣室で着替えて会社を出るのが22時半 ドア ツー ドアで 自宅に着くのが23時すぎ 遅い晩御飯を食べて(営業所で18時ぐらいに済ます時もあるが シフトによる) 風呂に入って 24時半に就寝

翌朝5時に起き 朝食は取らずに 5時50分に出社 制服に着替えて 6時にタイムレコーダーを打刻し 乗務車両の出庫前点検をして6時15分に点呼を受けて 出庫

拘束時間は 原則13時間までですから 原則どおり だとすると この日の退社時間は19時15分となることもあり 15時間の拘束があった場合は 21時15分まで勤務の場合もあり得ます

現行の法律では 前日の22時から6時までの休息時間が与えられているから 運行管理上違反ではない ことになります

しかし この運転士の 勤務時間外の動きの中で 睡眠時間を5時間以上確保することは 難しいと思います 

これが 管理する側に 運転士には9時間以上の休息時間を与えなさいと 国が義務付けすると 5時間の睡眠は可能になります 良質な睡眠といわれる8時間睡眠には 届きませんが

なお 労働組合などは「休息時間は11時間以上」と要求しているようです それが実現すれば 7時間は睡眠をとることができます

サーカディアンリズム(概日リズム)

例えば 仕事のある日は 出社時間に間に合わせるために 毎日朝5時に起床していたとします 明日は休みの日だから 7時まで眠るぞ と思っていても 目覚まし時計をセットしたわけでもないのに 5時に目が覚めます これは体内時計が 働いているからです

体内時計を可能にしているのが サーカディアンリズム 概日(がいじつ)リズムといわれる25時間周期の生理現象です ほとんどの生物が持っているといわれています

1日は24時間なのに なぜ25時間周期かというと 1時間の「のりしろ」を設けて さまざまな リセット要因に 対応しやすくする生命の知恵ということらしいです あるものをカットして調整する方が ないものを足そうとするより簡単だ ということです

もし サーカディアンリズムが23時間周期だとすると 放っておくと 毎日1時間ずつ 生活周期が前倒しに 早くなっていくということになります

リズムを無視したシフト

24時間営業の店舗や 24時間操業の製造工場 または 7時開店23時閉店の長時間営業のファーストフードなどは シフト制が 導入されます 早番と遅番があったり 日によってまたは週替わりで 早番と遅番が交代であったりします

シフトの割り当ては 大抵は 運営する側の事情によります

飲食店だと ピーク時間帯や 繁忙期に合わせた 人員配置を目論んで シフトの設定をおこないます 工場は 受注量 季節変動など 計画された稼働状況によって 日勤 昼勤 夜勤 の3交代制や 日勤 夜勤の2交代制 などの勤務形態が 見られます

前項のように 路線バス会社も 運行時間帯が6時前から24時前後 まで 17〜18時間の営業をおこないますから 決められたダイヤによって 1時間の運行本数から割り出された人員配置でシフトが組まれます

組まれたシフトが その日と翌日の出勤時間が 同じか 少しずつ遅くなる分には あまりきつくはありません

一方 翌日が その日より早くなっていくシフトが 組まれる場合がありますが この場合 起床時間を 前日より早くしていくなどの 調整をしていかなければなりません

後者の 前倒しでずれていくようなシフトが組まれると 日々起床するのが辛くなり 睡眠不足から 体調を崩しやすく なります

前述のサーカディアンリズム(概日リズム)が 無視されているからですが シフトを提供する管理者は そのことに気づいていない場合が 多々あります

わたしが勤めていた路線バス会社でも 退職した年に実施されたダイヤ改正に伴うシフトの変更で 「安全第一」を考慮しなければいけない 業務のシフトが ひとが本来持っているリズムより 営業や一部のひとの都合が優先され シフトが組まれていました

冒頭の新聞記事にあったように 休息時間の確保は大切ですが それだけでなく 乗務員が 規則正しい生活リズムを保てる配慮も 必要であると思います

今回はここまで

ノボルでした

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